最近注目を浴びているアミノ酸系サプリメントが、今回紹介するEAAです。
一昔前までは、海外メーカーしか取り扱いがありませんでしたが、近年は取り扱う日本ブランドも増加しています。
そこで今回は、EAAについてプロテインやBCAAとの違い、飲むタイミングやおすすめのブランドなどを紹介していきます。

私も気になってたんだよね。EAA。どんな効果があるのかなぁ。プロテインだけじゃダメなのかな?
EAAとは
EAAとは必須アミノ酸のことを指します。【Essential amino acid】を直訳すると必須アミノ酸となるのですが、その頭文字をとってEAAになります。
タンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類ありますが、その中の9つを必須アミノ酸と呼びます。
体内合成することができない
そもそもヒトを構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸が結合し構成されているものです。食べ物で得たタンパク質は消化吸収される際にアミノ酸へと分解され、それぞれのアミノ酸がカラダの役割に応じて活躍することになります。
体内で活躍する20種類のアミノ酸のうち、11種類は体内合成で作られるため、食べ物からタンパク質を得なくても作りだすことができますが、残りの9つは体内合成で作りだすことができないため、必ず食事から摂取しなければならないものになります。
必ず摂取が必要なアミノ酸ということで、「必須アミノ酸」と呼ばれているんです。
EAA必須アミノ酸9種類の主な役割
EAA名 | ※1日の摂取量 | 主な効果・役割 |
---|---|---|
バリン | 1,300mg~1,820mg | ・BCAAのひとつ・タンパク質合成・血中の窒素バランスの調整 |
ロイシン | 1,950mg~2,730mg | ・BCAAのひとつ・タンパク質合成・筋肉サポート |
イソロイシン | 1,000mg~1,400mg | ・BCAAのひとつ・筋肉サポート・血管拡張 |
スレオニン | 750mg~1,050mg | ・新陳代謝促進・脂肪肝の抑制・動物性タンパク質に多く含まれる |
トリプトファン | 200mg~280mg | ・精神安定・セロトニン生成のサポート |
ヒスチジン | 500mg~700mg | ・神経機能サポート・ストレスの緩和 |
フェニルアラニン | 1,250mg~1,750mg | ・神経伝達物質・食欲抑制・鎮痛効果 |
メチオニン | 750mg~1,050mg | ・ヒスタミンの血中濃度を下げかゆみを軽減・抑うつ効果 |
リジン | 1,500mg~2,100mg | ・カルシウム吸収促進・免疫向上・植物性タンパク質には少ない |
※体重50kg~70kgあたりの目安摂取量
バランスよく摂取することが大切
必須アミノ酸の摂取には、「アミノ酸の桶」で説明されることが多く、これは、必須アミノ酸の摂取量を9枚の桶板の高さとして例えたもので、摂取量の少ない必須アミノ酸がひとつでもあると、桶に溜めた水はそこから流れでてしまうというもので、つまり、9種類をバランスよく摂取することが大切であるということが推奨されています。
タンパク質を摂取したからといって、全てのタンパク質が20種類のアミノ酸の含有量が一緒ではなく、植物性では必須アミノ酸の含有量が少ないことが多いです。
よく、「アミノ酸スコア100」という数値をプロテインパウダーのパッケージでみることがありますが、これはバランスよくアミノ酸が含まれている証明でもあるんです。
プロテインやBCAAとの違い
同じアミノ酸系サプリメントには、大元のプロテインにBCAAなどがあります。
EAAのプロテインとBCAAとの違いをまとめました。
プロテインとEAA
プロテイン=タンパク質ですので、プロテインには20種類のアミノ酸が含まれています。
それに比べてEAAには必須アミノ酸の9種類だけなので、プロテインだけで十分ではないか?と思われることでしょう。
しかし、EAAとプロテインでの大きな違いは吸収されるスピードが全く違うことになるんです。
プロテインの吸収速度は吸収の速いホエイプロテインだとしてもアミノ酸はと分解され体内吸収されるまで1時間~3時間ほど掛かります。
それに比べてEAAは既に分解されたアミノ酸ですので、吸収スピードが速く30分ほどで吸収することができます。
つまり、体内で合成できない必須アミノ酸だけを素早く吸収することができるんです。
BCAAとEAA
BCAAとは、必須アミノ酸EAAにも含まれている「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」になります。
前述した表にあるように、タンパク質や筋肉系のサポートに力を発揮し、筋肉の合成促進や分解抑制効果には欠かせないものとなっています。
トレーニング中にエネルギーが不足してしまうと、筋肉を分解してエネルギーにしてしまうため、トレーニング前やトレーニング中のプレワークアウト&ワークアウトドリンクとしてBCAAはよく利用されています。
EAAにはBCAAも含まれていますので、BCAAと同様の効果を発揮することができるだけでなく、他6種類の必須アミノ酸があることで、総合的に筋肉合成を促進させることができます。
つまり、EAAを飲用すればBCAA以上の効果が期待できるのですが、いかんせんBCAAと比べると価格が高いのがネックです。さらに、EAAは多量に飲用できないこともあります。
BCAAは1日に必要な摂取量が他の必須アミノ酸よりも多いですので、価格的に厳しい方やワークアウトドリンクとして量を求める方にはBCAAを摂取してもいいかもしれませんね。
EAAを使用するタイミング
プロテインよりも吸収スピードが速く、必須アミノ酸9種を摂取することができるEAAは、様々な場面でその効果を発揮します。
特におすすめの飲むタイミングとその効果をまとめました。
プレワークアウト
プレワークアウト(トレーニング前)にEAAを飲んでおくことで、体にあるエネルギーををトレーニング前に満タンにしておくことができます。
BCAAとEAAのところでも説明しましたが、運動によるエネルギーには、脂肪や糖質(グリコーゲン)だけでなく、血中のアミノ酸も消費されていきます。さらにエネルギーを消費すると、筋肉を分解しエネルギーにします。
このエネルギー枯渇をできるだけ防ぐために、吸収スピードの速いEAAをトレーニング前に補充し蓄えておくことができます。
イントラワークアウト
その吸収スピードの速さは、トレーニング中のドリンクとしても優秀で、休憩時に少しずつ飲用することで、エネルギーを消費した分をすぐに補完することができます。
プレワークアウト・そしてワークアウト時の飲用するEAAの役割をまとめると、エネルギーの補完と筋肉分解の抑制となります。
例えば、トレーニング2時間前ほどに食事をしていた場合などは、既にエネルギーが満タン状態ですので、飲用しなくても問題ありません。その場合はトレーニング中のみのエネルギー補完として飲用しましょう。
ポストワークアウト
トレーニング後には筋肉の材料としてタンパク質をできるだけ素早く取り込むことが必要ですので、EAAはその役割も十分発揮することができます。
筋肉の合成促進にEAAは欠かせませんので、トレーニングの成果をいち早く感じさせることができるでしょう。
トレーニング中に飲用しエネルギーの枯渇を補っていたなら、トレーニング後はホエイプロテインで十分な効果を発揮することができるでしょう。
起床後
就寝前と起床後のどちらがおすすめのタイミングと聞かれれば、起床後がおすすめと答えます。
EAAは吸収が速い分体内に留まる時間は少なく、一回の補給で長い時間体内で利用することはできません。そのため、トレーニング中のように少しずつEAAを補給することが一番となります。
8時間前後の就寝時間中は、体を動かすエネルギー消費は少ないですが、体の修復・疲労回復の材料としてアミノ酸は利用されますので、朝にはアミノ酸が枯渇してしまいます。
起床後は急いで体内のアミノ酸量を増加させたいので、EAAでの補給が必要となります。
逆に就寝前は、できるだけ吸収がゆっくりのソイプロテインやカゼインプロテインの飲用がタイミングとしておすすめになります。
平常時
トレーニング日でない日や、トレーニングや食事まで時間のあるタイミングなんかにもEAAはおすすめです。
3食食べていたとしても、朝食と昼食の間隔よりも昼食と夕食の間隔のほうが長い方が多いでしょう。
タンパク質の補給は4時間サイクルで摂取することが望まれるので、昼食と夕食の間隔が長い方は、通常の飲用ドリンクとして少しずつEAAを飲用してもいいかもしれません。
特に前日のトレーニングが激しかった昼間は、仕事中のドリンクとしてEAAを筆者はよく飲用していますよ。
EAAのデメリット
EAAのデメリットには一体何があるのでしょうか?
このEAAのデメリットをしっかりと捉えることで、プロテインやBCAAと上手に併用し利用することができます。
1回に多量に飲用できない
EAA1回の飲用量の目安は15g~20gほどになります。これ以上を一度に摂取しようとしても、カラダが一度で吸収できる量を上回ってしまうため、残りは腸内で留まることになります。
そうすると腸内の浸透圧が高まることになり、水分が腸内に集まり浸透圧性の下痢を起こしてしまいます。
1回の飲用分を一気に飲んだ場合でも下痢を起こすことがありますので、15gを1時間ほどで飲用するイメージとしておきましょう。
価格が高い
EAAの実勢価格はプロテインと比べると高いです。プロテイン1kgだと3,000円~5,000円ほどが相場ですが、EAAの場合、1kgだと10,000円ほどになります。
ただし、1回の使用量は最大でも15g~20gと考えると、プロテインよりも少ないので、1回での利用価格はプロテインと比べてもそれほど変わらないほどといえるでしょう。
取り扱いブランドが少ない
EAAを取り扱うブランドはまだまだ少ないのが現状です。
プロテインブランドが10ブランドあるとして、その半分ほどのブランドがBCAAをさらに2割ほどがEAAを取り扱っている感じでしょうか。
EAAの実勢価格の高さも、まだまだ取り扱いブランドが少ないからってことも大きく影響しているでしょう。
おすすめのEAAはこれ!
これからEAAを飲用したい!と思う方におすすめのEAAをご紹介したいと思います。
マイプロテイン【IMPACT EAA】
筋肉合成の要であるロイシンが4に対して、バリンとイソロイシンを1配合したBCAA含有量が高めのEAAになります。1回の摂取量は7gのEAAに対して300mlの水で溶かして飲用します。EAA含有量が高いため、1回の摂取量が少なくコスパに優れています。
1回の飲用で、ロイシンは1日分以上を、バリン・ロイシンはほぼ1日分、その他は1日の1/3~半分ほどの摂取量を得ることができます。
マイプロテインは1月に2回セールがあり、40%オフで購入することができます。1kgを購入しても6,000円ほどで購入することができるので、価格的にもおすすめです。
VALX
筋肉博士であり、ボディビル界のレジェンドである「山本義徳」氏監修のEAAになります。1回25gを1リットルほどの水で溶かして飲用することで、15gほどのEAAを摂取することができます。
15g摂取することで1日分のEAAをほぼ賄うことができます。
精神を安定させるトリプトファンを少な目に配合してあるので、プレワークアウトにもいいですね。
GronG
コスパに優れたブランドであるGronG(グロング)から今年の7月に新発売されたEAAになります。
1回11gを500mlほどに溶かして飲用します。EAA含有率も77%以上と非常に高いです。
まとめ:プロテインと上手に併用して使用すること
個人的には、プロテインと被らずにEAAを飲用しています。
主にトレーニング中などのワークアウトドリンクとして飲用し、平日の昼間のお茶変わりに飲用したりしています。
プロテインはトレーニング後と就寝前に飲用しています。
筋肉の分解やエネルギーの枯渇が起きないように、プロテインとEAAを併用して毎日飲用しています。
プロテインは飲用しているけど、なかなかカラダが大きくならない・筋肉が付かないって方には、是非EAAを飲んでいただきたいです。
その吸収スピードはカラダの与える影響は大きく、思った以上に効果を発揮したりします。
”ホメオスタシス”
現状から脱却したいなら、EAAはおすすめですよ。