プロテインは水や牛乳などで割って飲みますよね?
その際に必ず発生するものが【泡】です。

プロテインの泡って飲みにくくなっちゃうんだよねー。

泡がシェイカーに残っていると勿体ないって言葉も聞くよね。僕もシェイカーに残った泡は、少し水を追加して飲んでいるよ。
プロテインはタンパク質を一度に摂取できるトレーニーにとってありがたいものです。最近では、栄養補助食品として一般の方にも普及されつつあります。どんなプロテインがおすすめなのか?は初心者トレーニーにとって重要なところ。ここではプロテ[…]
さて、プロテインをメーカーでプロテインを選ぶ方もいるでしょう。大手メーカーなら安心して購入できるけど、値段がちょっと割高で繰り返し購入には厳しい(;´Д`)中小メーカーだと本当に大丈夫なのかちょっと心配(;´Д`)確[…]
タンパク質は泡立つ
プロテインが泡立つ原因は「タンパク質」だからなんです。
タンパク質の性質として、水に馴染まない疎水性の性質と、水に馴染む親水性の性質とがあります。
この二つの性質により、水の表面張力を弱め空気を取り込むことで泡立ちやすくなります。
洗剤で例えると
この異なる性質を持つものとして代表的なものが、界面活性剤です。
これ、洗剤の主成分なんですが、洗剤を水につけると泡だちますよね。これも疎水性の性質が空気と馴染み、親水性の性質が水と馴染み空気を水の中に取り込み泡立ちやすくなるんです。
表面張力
表面張力とは、できるだけ表面を小さくしようとする性質のことで、要は自分たち同士で結びつき、他の成分を寄せ付けないことを指します。
例えば、水は表面張力が高い性質を持っているため、水滴を形成したり、コップの水がこぼれない現象などを起こします。
先に、タンパク質は表面張力を弱めると書いてありますが、もともと表面張力が高い水は、シェイカーで振って空気を取り込んでも直ぐに泡は水中から消えてしまいます。
繰り返しになりますが、水に馴染む性質と水に馴染まない性質の両方を持つタンパク質が水に加わることで、タンパク質が空気を取り込んで水の中に泡を作ることで表面張力が低くなり、プロテインは泡立つことになります。
メレンゲはタンパク質
泡泡のメレンゲは卵の卵白からつくられますよね?卵の卵白の成分といえば、タンパク質が主です。
上で説明したようにタンパク質には起泡性があるのですが、それに加えて空気に触れてタンパク質が固くなる「空気変性」の作用もあります。
この空気変性によって、プロテインの泡はなかなか消えにくいってことが起こってしまうんです。
卵白がゆで卵になって白くなるように、タンパク質は熱でも変性するのですが、とにかくいろんなものに変性しやすいのがタンパク質の特徴であるともいえます。

プロテインに含まれるタンパク質の性質が泡立つ原因なんだね!

ビールの泡なんかもタンパク質が原因で消えにくい泡になっているんだ!プロテインの泡もビールの泡と思って飲んだら美味しいかも!?
プロテインに含まれるタンパク質
プロテインを訳すとタンパク質ですので、言葉としてはおかしいですが、普段飲用しているプロテインパウダーについて少し泡立ちの特徴をまとめていきます。
タンパク質含有率が高いほど泡立つ
タンパク質が泡立つということは、タンパク質が多く含まれているプロテインはより泡立ちやすいといえます。
プロテインの原料となるタンパク質は動物性のホエイやカゼイン・卵、植物性の大豆やエンドウ豆などが代表的ですが、製品によってタンパク質の含有量が異なります。
一番商品数の多いホエイでは、抽出方法によってタンパク質含有量も異なり、定番のWPC(ホエイプロテインコンセントレート)での含有率はおよそ70%前後、より精密に抽出するWPI(ホエイプロテインアイソレート)では80%以上のタンパク質含有率になります。
水と牛乳なら牛乳のほうが泡立つ
プロテインパウダーを何で割るか?によっても泡立ちは異なります。
特に多く割られるのが水と牛乳になりますが、牛乳で割ったほうが泡立ちは強くなります。
水は上で述べたように、元々が泡立つ物質ではないのに対して、牛乳の成分のおよそ3%はタンパク質ですので、プロテインパウダーと混ぜることで水よりも泡立つようになります。
ちなみに、牛乳の成分の90%は水で、残り9.5%をタンパク質や脂質、炭水化物で、残り0.5%をビタミン、ミネラルで構成されています。
「牛乳のほうが飲みやすいけど、泡立ちがちょっと」って方は、半分を水に変えるか、牛乳ではなくジュースなどに変えて試してみてください。
消泡剤(乳化剤)入りプロテイン
泡立ちにくいプロテインを謳っているプロテインブランドの多くは消泡剤(乳化剤)という添加物を入れることで泡立ちを抑えています。
読んで字のごとくで泡を消すものなんですが、主成分として多く使われるのが「シリコーンオイル」や「大豆レシチン」です。
シリコーンって聞くと「えっ!大丈夫?」など気になりますが、胃カメラの時に胃の中の泡を消す医薬品としても使用される添加物ですし、豆腐を作る際にも使用されています。
大豆レシチンは必須脂肪酸が多く、脂溶性ビタミンとの相性がよい成分です。そのため、乳化剤としてはマヨネーズやチョコレートにも使用されていますが、栄養補助食品としても存在する安全なものになります。
消泡剤・乳化剤が含まれているからといって、全く泡が立たないってことはほとんどないですが、消泡剤入りのプロテインは時間が経つにつれてだんだんと泡は消えていきます。
プロテインブランドの中には、無添加のものもあるので、泡立ちよりも入っている成分を気にする方には、無添加を狙ってみるのもありだと思います。
プロテインの泡が30秒で消えていく。。。
これが消泡剤(乳化剤)の力か!
無添加だと全然泡なくならないよね。#WPI pic.twitter.com/70fZDBRtFo— 筋トレはお好き? (@Muscle_Monk) September 29, 2020
検証①:プロテインの泡を消す方法
タンパク質は性質として泡立ちやすい性質があります。卵白からつくるメレンゲが代表的なものです。ビールの泡が消えにくいのも、タンパク質が炭酸ガスを包んでいたり糖質が水を含み泡の補強をしたりするためになります。
正直、プロテインの泡を消すことは難しいです。
しかし、少しでもプロテインの泡を消す方法があるならば知っておいて損はないかもです。
そこでプロテインの泡を消す方法を実験してみました。
無添加のWPIで検証
今回は今筆者が実際に飲用しているプロテインを使って実験してみました。
- アルプロン
WPIホエイプロテイン
- SAVASプロテインシェイカー500ml
- 水200ml
このアルプロンのプロテインはほぼ無添加であり、タンパク質含有率が90%弱と高いため、泡立ちやすいプロテインになります。
つまり、検証としては最も泡立つ相手に挑むってことになりますw
本来、このプロテインは20gに対して水100ml程度で割るのですが、一般的なプロテインは20g~30gほどに対して水200~300mlで割ることが多いので、今回は水200mlで割って作ってみました。
そして15年愛用のSAVASシェイカーです。(形状が古いですね(;^ω^))
シェイク時の泡立ち度
20回ほどシェイクしたばかりの状態が上の写真です。
液体と泡の境目がわからないくらい泡立ちMAXですw
さてここからどのくらいか変わるかが今回の検証になります。
泡を打ち消すシェイク方法
シェイカーを上下に振ることで泡立ちはMaxになりやすいです。逆にその分攪拌できているってことなんでダマにはなりにくいです。
上下シェイクの後、今度は手首を使って回転させるようにシェイクします。(容器の中で渦をつくる感じですね。)
そうすることで泡同士がぶつかり合い泡を消すってことなんですが、
多少時間も経過したこともあり、液体と泡の境目ははっきりわかるようにはなったことと、大きな泡が消えたような感じですが、クリーミーな泡は残り、泡が消えたといえるほどの結果はでませんでした。
ザルでこしてみる
一度シェイカーしたプロテインをザルでこしてみました。
泡がザルの網目に引っかかることと、容器を移し替えたこともあり、多少泡の量は減った感がありますが、クリーミーな泡は残った状態でした。
ザルに引っかかって残った泡は少しずつ容器へ落ちるのですが、液体に戻らず泡のまま落ちていってました。
プロテインを温める
プロテインを50°付近にまで温めることで、泡の水分を蒸発させ泡は消えやすくなるとのこと。
一度シェイカーで作ったプロテインを、電子レンジ可能な容器に移し替えてチンしてみました。逆に温め過ぎると熱変性を起こすかもしれないので、30秒ほどで検証してみました。
結果は特に変化はなく、温まったことでニオイをより強く感じるようになりましたw
検証①結果のまとめ
今回3つの泡を消す方法を一つずる検証してみましたが、全ての泡を消し去ってしまうほどの方法はありませんでした。
とはいえ、今回は連続して行ったこともあり、時間の経過とともに泡はだんだんと減っていきました。
どの方法が一番効果的だった?
ただ、ここまで泡が減ればなかなかのものですが、全てをやっていくことは毎回大変です。
今回、泡を消す方法をやってみて、個人的に一番効果が高い方法が、
【容器を移し替える】ことでした。
ザルでこす際に容器の移し替えが発生することになったのですが、ゆっくりと容器に注げば、ザルを使わずとも泡をほとんど残して移し替えることは可能だと感じました。(今回は検証のためザルでこして残った泡も落ちるまでまって移し替えました。)
ただ、残った泡をどうするか?ってことになるので、勿体ないと思う方は筆者と同じように、残った泡に追加で水を加えて飲んでしまいましょう。

プロテインの泡が多いとゲップが出やすくなっちゃうんだよね。レディなんで気をつけます( *´艸`)

ちなみに、このプロテインの本来の水の量でも検証してみましたが、プロテイン濃度が濃くなるので、より泡は消えませんでした(>_<)
検証②:泡立たない作り方
ダイソーやセリアなどで販売されている「ミルクフォーマー」を利用して、プロテインを上手にシェイクできないか検証してみました。
元々、カプチーノを作る目的でミルクフォーマーは持っていたのですが、SNSやYouTubeなどでも取り上げられていたので実際どこまでの効果を発揮するか検証してみました。
泡立たないプロテインだったので、、
今回検証で使用したプロテインが、マイプロテインの「IMPACTホエイ」。タンパク質含有量76%のWPCで、乳化剤も入っているためそもそもそんなに泡立たないモデルです。
どちらかといえば、泡立ちよりもダマの有無の検証となるでしょう。
ちなみに下の動画は、シェイク後⇒ミルクフォーマーという最終形態での使用をアップしているのですが、その理由を下記より挙げていきます。
混ざることは混ざるが、、
実際、ミルクフォーマーだけを使ってもプロテインを攪拌させることはできますが、正直ザラザラ感が残ってしまいます。
SNSなどでは、「蓋いらずでコップでOK」などと言われていますが、どうしてもダマが残りやすく正直物足りなさを感じます。
細目のコップを使用することで、渦巻きの水流を上げることで少しはダマはなくなりますが、それでももうちょっと感は否めませんでした。
だから最終形態がいい!
動画の最終形態の場合、工程が1つ増えることになりますが、シェイクする回数は10回ほどでよく、ミルクフォーマー自体の洗浄も面倒ではないので、思った以上の好感触を得ることができました。
ミルクフォーマーを使い残りのダマをなくすことと、大きい泡を消すことができ、牛乳と混ぜた場合はミルクが良い感じにクリーミーに感じるので、味の荒々しさをなくすことができます。
今では、家でプロテインを飲用するときは、この最終形態でプロテインを作っています。
ダマになりにくいシェイカー
各メーカーが販売するシェイカーの中には、ボールやバネが仕込まれたものがあり、攪拌しやすくダマになりにくいシェイカーがあります。
ダマになりにくいってことはそれだけシェイクする回数が減ることになり、空気に触れる回数が減ることになるので、その分プロテインの泡立ちを抑えることに期待できます。
検証③:WPCとWPIの泡立ちの違い
タンパク質含有率が高いプロテインほど泡立ちは多くなります。
そこで今回は、同じメーカーの同じフレーバーのWPCとWPIの泡立ちを比較したいと思います。
WPIとWPCのスペック
今回使用したプロテインは「マイプロテイン」のWPC(ホエイプロテインコンセントレート)とWPI(ホエイプロテインアイソレート)のストロベリークリーム味になります。
WPCのタンパク質含有率は75%とWPCの中では高い含有率となります。
WPIのタンパク質含有率は88%とこちらもWPIの中では高い含有率になります。
タンパク質含有率の差は13%。どちらも200mlの水に25gを入れてシェイクしています。
結果、3倍ほどの違いに!
今回の検証の結果、WPCの泡の頂点が250ml付近を指しているのに対して、WPIは350m近くと、泡立ちの高さはおよそ3倍ほどの違いとなりました。
どちらも消泡剤(乳化剤)入りですので、時間が経過すると泡はだんだんと消えていき、どちらも同じ泡立ち加減になっていきます。
ちなみに、味の違いは、色の透明度から想像できるように、WPIのほうがクリーミー感がなくなってスッキリした味わいになります。

やっぱりタンパク質が多く含まれているWPIのほうが泡立つんだね。
プロテインの泡についてのまとめ
- プロテイン(タンパク質)は泡立つ
- 界面活性的な要素により表面張力が低いから
- 変性しやすいから
- 泡をなくすには容器を移し替えることが一番
- 製品に含まれるタンパク質含有率の違いで泡立ちも変わる
- 泡が嫌なら消泡剤(乳化剤)入りプロテインを買うこと
参考文献
日本食品工業学会誌PDF-JStage
生物基礎講座_バイオよもやま話-日本生物工学会
初心者の方が持つプロテインのイメージってどんなんだろう?筋肉がついてしまう?トレーニングしないと太る?とにかく不味い!マツコデラックスの「マツコの知らない世界」でもプロテインをテーマに取り上げていたね[…]