腕立て伏せ(プッシュアップ)は筋トレ初心者が先ず最初に行うであろうトレーニング方法だと思います。
日本スポーツ協会の運動適性テストⅡにも6歳以上からの種目に含まれていることから、体力測定のひとつとしても使用されています。
腕立て伏せを極めることは、その他のトレーニングを行う上でもプラスに発揮するのですが、正しい腕立て伏せを行わないと、いつまでたっても筋肉がつかず初心者体型から脱却することができません。

女の子は腕が太くなっちゃうからやらなくてもいいんじゃない?

いやいや、女の子の腕が筋肉で太く見えてしまうってことはあまりないんだ。それよりも二の腕の脂肪が垂れ下がってしまい太くしているので、腕の脂肪を燃焼させるために腕立て伏せは必要なんだよ!
腕立て伏せで鍛えられる筋肉
腕立て伏せ(プッシュアップ)で鍛えられる主な筋肉は3か所、大胸筋(胸の筋肉)、三角筋(肩の筋肉)、上腕三頭筋(二の腕)に効果的です。
それぞれの筋肉の特徴からなぜ腕立て伏せで鍛えられるのか見ていきましょう。
大胸筋
胸の筋肉の大胸筋。男性であれば男らしい逆三角形の上半身を作る上で欠かせない筋肉といえるでしょう。乳首がちょっと下向きにであったり、ピクピクと大胸筋を動かすことも男性の憧れでもありますね。胸板の厚さは女性が求める男性像ともいえるでしょう。
女性もバストの形状がいつまでも綺麗でいたいために大胸筋を鍛えることが重要かも。と思っていいることもあるでしょう。(後ほど後述します。)
この大胸筋ですが、腕を動かすためには欠かせない筋肉であり、例えば
- 手のひらを胸に近づける動作
- 腕を内側に回転させる動作
- 腕を使って押し出す動作
など、腕と体を繋ぐ土台として腕を使った動作には必要不可欠な筋肉なのです。
つまり、腕を使って体を支え上下する運動である腕立て伏せをすることは、大胸筋を動かすことになり、負荷を与えることで鍛えられることができます。
憧れの逆三角形を手に入れたい。盛り上がった大胸筋は男性的ボディの特長であり、腰に向かってシェイプされることでより強調されます。Tシャツの上からでも大胸筋の盛り上がりがわかる姿を横目で見たとき、その憧れを思い出すことでしょう。そし[…]
上腕三頭筋
肩から肘の間(上腕)、力こぶが出る上腕二頭筋とは逆になる二の腕の筋肉が上腕三頭筋になります。
- 上腕を内側へ回転させる動作
- 肘を伸展させる動作
などに使われる筋肉ですが、この上腕三頭筋、普段の生活ではあまり使用されない筋肉なんです。
例えば、手に買い物袋をもって肘を引き付けた動作をした場合、主に使用される筋肉は力こぶとなる上腕二頭筋になります。このとき手のひらは内側を向いていることがわかります。
これが腕立て伏せの場合、荷物を持つときとは逆で、手のひらを外(地面にして)肘を引き付けることになります。そのため、鍛えられる筋肉は上腕二頭筋(力こぶ)の逆の上腕三頭筋が鍛えられることになります。
つまり、普段使用しない上腕三頭筋は腕立て伏せなどのトレーニングで鍛えることが必要であるってことなんです。
上腕の筋肉は上腕二頭筋が1/3、上腕三頭筋が2/3と上腕三頭筋のほうが大きいのでより鍛えるメリットはあるんです。
三角筋
肩の筋肉である三角筋を鍛えることで、顔を小さく見せ肩幅を大きく見せることができます。
- 腕を前に上げる動作
- 腕を横に広げる動作
- 腕を後ろに下げる動作
などの肩を中心に腕を回転させる動作に必要な筋肉であり、運動的な能力では、
投げる
という動作に関してはこの三角筋を鍛えることが必須となっています。
腕の付け根にあたり、大胸筋を繋ぐ筋肉でもあるため、腕立て伏せでも鍛えられる筋肉ですが、三角筋を中心に鍛える場合はもう少し肩の動作使ったトレーニング方法を行ったりもします。

腕だけじゃなくて胸とか肩も鍛えられるんだね!

特に力コブの筋肉が鍛えられると思いがちだけど、その裏側の上腕三頭筋や大胸筋がメインに鍛えられるのが腕立て伏せなんだ!
プロテインの中でもよく耳にする種類が「ホエイプロテイン」というもの。トレーニングジムに通い、マッスルマッスルな人にとってみれば、毎日欠かせないものですが、これから筋トレを始める初心者やダイエッターにとってみれば、実際に必要なものか理解し[…]
ダイエットで腕立て伏せをするメリット
腕立て伏せをすることでダイエットはできるのか?女性であればシェイプアップとして美ボディスタイルをつかみ取ることができるのか?をここではまとめていきます。
大きい筋肉から鍛えることはダイエットで必須
ダイエットで筋トレを行う初心者の方が先ず行うトレーニングとして覚えておいてほしいのが、
大きい筋肉を鍛える
っていうことです。
一番大きい筋肉が集まるのは太ももやお尻など「スクワット」で鍛える下半身の筋肉ですが、次いで大きい筋肉が集まるのが腕立て伏せで鍛えられる筋肉なんです。
筋肉を鍛えることで代謝があがりカロリー消費が増加します。一回に鍛えるのならば、大きい筋肉から行ったほうが効率よく鍛えられ代謝が上がりやすくなりダイエットしやすい体を早く作り上げることができます。
男性は男性的に、女性はスリムにシェイプアップできる
男性は上半身を鍛えることで逆三角形になり大きな男性的な体を作り上げることができます。腕立て伏せで鍛えられる3つの筋肉は、逆三角形の頂点に位置する両端であり、この筋肉のボリュームが逆三角形の要といってもよいでしょう。
一方女性の場合、「男性と同じような逆三角形になるのでは?」とお思いでしょうが、男性のように筋肉が発達することはほとんどありませんので、余計な脂肪が落とされスリムにシェイプアップします。
女性の場合、バストの土台となる大胸筋が鍛えられるため、デコルテ部分のハリができ、谷間のラインが綺麗になります。姿勢も良くなり、胸の位置も上向きになります。
女性が求めるバストアップや部分痩せはできないが、
女性が腕立て伏せをすることで、バストアップや二の腕部分だけの部分痩せを期待しますが、残念ながらそれはできません。しかし、上でも述べたようにスリムにシェイプアップされ体のラインは綺麗になります。
胸はカップを大きくはなりませんが大胸筋が鍛えられることで上でも述べたように副効果と胸囲自体は大きくなり、胸のラインは綺麗に仕上がります。
また、二の腕も最初は上腕三頭筋が鍛えられ太くみえがちになりますが、徐々に代謝が上がることで全身の脂肪が落とされていくことと、上腕三頭筋の伸縮運動がスムーズに働くことで、たるみをひきつけハリが出てくるようになっていきます。
ベンチプレスの土台となる
徐々にトレーニングを行い体を鍛えていく人や、既にトレーニングジムで鍛えている人にとってはバーベルを使ったベンチプレスもやっていくことでしょう。
通常の腕立て伏せの場合、体重の約65%ほどの負荷がかかっていることになります。体重50kgであればバーベルの重さが32kgほど、体重70kg
であれば45kgほどのバーベルをベンチプレスで持ち上げているようなものです。
とはいえ、ベンチプレスはバーベルを持ち上げる動作や動くバーベルを固定しなければならないなど難易度は高いです。
もし、既にベンチプレスをやっているが上手にできない人、今後ベンチプレスをやっていきたい人などは、この腕立て伏せをしっかりマスターすることで、ベンチプレスを行う土台となりますので、しっかりと臨んでいきましょう。

腕立て伏せはスタイルを維持するには大切なトレーニング方法なんだね!

これからウエイトトレーニングを始める方も、ウエイトトレーニングが上手にできない方も自重トレーニングはその土台となるのでとても重要なトレーニングなんだ!
初心者体型を脱却する腕立て伏せ
ここまでは、腕立て伏せをすることで鍛えられる筋肉と、それによって得られるメリットをお伝えしてきましたが、ここからは実際にどんな腕立て伏せをしていけばよいかを解説していきます。
ノーマルプッシュアップ
まずは基本となる腕立て伏せから説明します。
地面から垂直で肩幅より1.5倍の広さを取る
手を置く位置ですが、地面から肩が真っすぐ垂直になるような位置に手を置きます。そして肩幅よりも1.5倍ほどの広さで構えるようにします。手の幅を広くとることで大胸筋に、狭くとることで上腕三頭筋への負荷が強くなります。
頭から足先までを1本の棒にし背筋を伸ばす
頭から串刺しにされたイメージで、頭から足先まで九の字に曲がることなく真っすぐにしましょう。腹筋に力を入れる(腹圧をかける)ことで腰や腹周りが安定します。
胸を張り肩甲骨を閉じる
大胸筋へしっかりと負荷をかけるためには、胸を閉じることなく胸を張ることが必要です。両肩甲骨を背骨上でひっつけるイメージで常に固定させると胸を張りやすいです。また、顎を上げ、地面ではなく正面(上)を向いた状態を維持すると胸を張りやすくなります。
膝をついたプッシュアップ
ノーマルプッシュアップの状態から膝をつけて行う方法です。
膝をつけることで負荷が減るので、特にノーマルプッシュアップができない女性やダイエット目的の方などにおすすめの方法です。
足先まで地面につけてしまうと、土下座みたいな感じになってしまうので、足先は上にし膝だけ地面についているようにしましょう。
ノーマルプッシュアップと同様に腹圧を意識して背中を丸めないようにしましょう。
ディップス
ノーマルプッシュアップの地面にうつ伏せ状態で行うことに対して、ディップスは垂直方向(直立)で行う腕立て伏せになります。
体操でみられる平行棒の間に体を入れ、腕だけで体を持ち上げます。
自宅で行う場合は、腰くらいの高さで安定しているものを使う、例えば、椅子や机を2つ利用することで行います。
やや前傾姿勢を意識することと、反動をつけずに上下に体を持ち上げること、肩甲骨を閉じることを意識しておこないましょう。
リバースプッシュアップ
ディップスではちょっと負荷が強すぎる方におすすめなのが、このリバースプッシュアップです。
椅子や台を使うことになりますが、上腕三頭筋を中心に大胸筋や三角筋も鍛えることができます。
できるだけ肘を開かずに上体を下げて腕に負荷を与えていきます。上下の動きに高さをつけるためにできるだけ椅子や台から背中を離さずに上下運動をおこないます。
膝を伸ばすor曲げることで負荷を変えることができるので、女性は少しずつ負荷を変えていきましょう。

腕立て伏せといってもいろんな種類があるんだね!

負荷の強弱によって本当はもっとたくさんあるんだけど、今回紹介したプッシュアップを先ずは意識してトレーニングをしていこう!
腕立て伏せで注意すること
腕立て伏せを行うことで注意する一番なことは姿勢であり、上で述べたようにしっかりとした姿勢で行うことが大切です。
その他、どれくらいの回数で行えばいいかなど、注意点をここでいくつかご紹介していきます。
回数の設定方法
回数を行う腕立て伏せですが、筋力アップを目的にする場合やダイエットを目的にする最大で行える連続回数を変える必要があります。
これは、筋肉には筋肥大する速筋と筋肥大しない遅筋とがあり鍛えられる筋肉の種類が違うためです。
筋トレで筋肥大を目的とする場合
1セットを10回程度として負荷を変えていきます。これは10回しかやらないのではなく、10回しかできない負荷を与えられるようにすることが大切です。
例えば、ノーマルプッシュアップで20回できたとします。負荷を強くさせるためには、足を地面より高い位置に置いたり、1回に5秒以上かけ体を持ち上げる、プッシュアップバーを使いより深く持ち上げるなどし負荷を強く設定しましょう。
できるからといって回数を増やすのではなく、10回程度できる負荷×セット回数で行っていきましょう。
ダイエット目的の場合
ダイエットやシェイプアップなど、筋肥大よりもシェイプアップを目的にするならば、回数設定は20回程度行える負荷に設定しましょう。
20回できなければ、膝附腕立て伏せや手を附く位置を地面より高くするなどし変えていきましょう。20回以上できるようになったら、少しずつ負荷を強く設定していきましょう。
呼吸法
腕立て伏せを行う上で呼吸法もとても大切です。息を止めて連続で行うのではなく、呼吸ができるリズムで1回1回行っていきましょう。
腕を徐々に負けるときに息を吸い、腕を伸ばし体を引き上げるときに息を吐きます。
息を吐くことで全身に力を入れることができるので、安定した力を発揮することができます。力を発揮することができるということはより筋肉に負荷をかけられるということですので、トレーニング効率がよくなります。
呼吸はどうしても止めておこないがちですが、止めないでトレーニングを行うことを意識しましょう。
超回復を意識する
筋トレをして体を鍛えるときに、ふと疑問に思うことがあります。それは、毎日筋トレをしてもいいのか?です。筋トレってやったらやった分だけ筋肉がつくの?うん。確かに体を鍛えるためには筋トレは[…]
トレーニングをすることで筋繊維に負荷が掛かると筋繊維は傷つきます。傷ついた筋繊維は血液中に流れ出ていくことで、筋肉は破壊されていきます。
体はその後傷ついた筋肉を修復するのですが、この際トレーニング前よりも太く・強くなって回復をしようとする生体反応を「超回復」と言うのです。
この超回復する間は休息が必要であり、その休息期間は筋肉によって異なります。
腕立て伏せで鍛えられる大胸筋や三角筋、上腕三頭筋の超回復期間はおよそ48時間。そのため、トレーニングは2日に1回ほどで行うことが効果的となるんです。
超回復には栄養が必須
とはいえ、傷ついた筋肉を超回復させるには筋肉の元となる栄養素が不可欠です。もし、栄養素が足りなければ超回復までの時間が掛かったり、筋肉が大きく肥大することなく以前と同じように修復されてトレーニング効果を発揮しないままになってしまいます。
トレーニングによって傷つく筋繊維1本1本はタンパク質が結びついたようなものです。筋肉の栄養素はアミノ酸であり、元はタンパク質です。
トレーニングしている方はタンパク質補給が足りなくならないように、プロテインを摂取するように心がけましょう。
筋肉の栄養素プロテインを購入する目的は、「タンパク質の摂取」を手軽い行えるから。トレーニーが必要なタンパク質の量を摂取するためには、プロテインを1日あたり2~3杯ほど飲むことなんて当たり前のことです。そんなプロテインを毎日飲むことに[…]
トレーニング効果は1か月~
腕立て伏せを行ったからといってすぐにトレーニング効果を発揮して見違えるようなボディを手に入れることはできません。
トレーニング効果を発揮し始めるには1か月ほどかかることでしょう。
一番は、しっかりとトレーニングを継続させることです。ボディビルダーもアスリートもみな何年もかけてあのボディを作り出しそして維持するためにトレーニングを継続しているのです。
ダイエットやシェイプアップが目的の方もリバウンドを防ぐためにも短期的ではなく、長期的に無理なくできるようなトレーニングを継続させるようにしましょう。
食事もカロリーを減らす無理な食事制限を行うよりは、バランスの取れた食事を摂取することを重きに置いたほうが長続きしますよ。
トレーニング初心者も気軽に始められることもあって、スクワットは誰もが知るトレーニング方法だと思います。そんな誰しも知っているトレーニングの王道のスクワットですが、意外に初心者の方はあまりやりたがらないトレーニングだったりします。[…]
継続は力なり
ここでは、自重トレーニングの代表的なものでもある腕立て伏せ(プッシュアップ)についてまとめました。
- 鍛えられる筋肉は「大胸筋」「三頭筋」「上腕三頭筋」
- 男性は男性らしく、女性はシェイプアップしたボディを手に入れられる
- プッシュアップは姿勢が大事
- 目的によって負荷を変え超回復を意識する

闇雲にトレーニングしているだけじゃ、ちゃんと効果を発揮しないしトレーニング自体が無駄になっちゃうんだね。

いきなり負荷を高くするというよりは、先ずは継続することを意識しよう。また、毎日トレーニングするよりも休息期間や食事による栄養面もしっかりとフォローアップすることがトレーニングは重要だよ!